まだ世界中のどこにも電動工具などの便利なものがなかったころの・・
昔の製材方法で、手道具をメインに使って小さなログハウスをつくっています。
材料は朽木(滋賀県産)の丸太を使い、一本ずつ斧ではつり、製材しているので、斧の刃痕が残っているのが特徴的です。
北米ではこの製材方法をハンドヒューイングと呼んでいます。この作業、無心になれるのでなかなか楽しいものです。 斧はブロードアックスという専用のものを使用します。
それをダブテイルノッチという仕口で交差部を組み上げています。ダブテイルのダブは鳩、テイルは尾っぽ、ノッチの形状が鳩の尾っぽに似ていることから、そのように名付けられています。一度組み上がると、とても強いつくりのログハウスです。
ほぼ手作業での加工ですので、小さいログとは言え、かなりの時間がかかっています。
ログシェルの完成。ログの表面にそれぞれ表情があって良い感じ。
それを屋外へ移動し、雨風にさらします。1年間・・・。そうしますと、ログがシルバーグレイの古びた良い感じになります。アンティーク風の塗装ではなく、本物の風合いを目指します。
一年間雨ざらしにしたログ。この写真ではわかりにくいですが、下の写真では・・
程よいシルバーグレイになりました。良い感じです・・・。そう思ってくれる方がどれくらいおられるか?かなりの少数派かと思いますが。
小屋組用のトラス。こちらもハンドヒューンしています。
このログハウスの場合はわざとログとログの間に隙間をあけて組み上げます。そしてその隙間に詰め物をするのですが、それをチンキングといいます。チンキングをしたダブテイルのログなので、チンクダブテイルといった呼び方をしたりします。北米の古いログハウスの建築様式です。開拓時代に一刻も早く雨風をしのげる家をつくるとなると、ぴったりとフィットさせてログを組んでいる時間なんてなかったのだと想像します。
現状は土壁の土を詰めただけの状態です。これはこれで良い感じですが、この上に漆喰を塗っても美しくなると思いませんか?
ダブテイルノッチ。日本では蟻組みと呼んだりもします。
屋根には杉の板を使用しました。シダーシェイクというカナダの良い材料を使えばよいのですが、今回は国産材を使用するしばりがあるので・・・杉板も良い雰囲気ですね。
ドアはダッチドアという上下別可動のドアがつきました。これはこのタイニーログハウスのログオーナーであるSOUP FURNITURE(オーダー家具) の雄倉さん作成のものです。ちなみに写真に写っているのが雄倉さんです。
ここまで見てくださったあなたはきっと、この小屋を気に入ってくださったのではないでしょうか? そして、このような雰囲気の小屋を建ててほしいと思っていただきたくて、このページをつくりました。あなたからのお問合せ、お待ちしております。
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